駄文

徒然草の下位互換です。

あなたは"イカ東"という動物をご存知だろうか。

 

 

イカ東……"いかにも東大生"の略称。

 

 

こう聞くとメガネでチェックシャツ、細身、男子校出身、コミュ障、早口、高い声、童貞といったステレオタイプの東大生を連想しがちだが、中にはここから逸脱した突然変異を起こした種族も存在する。

 

 

それでは"いかにも"東大生とは言えないではないか、という反論もあるだろう。しかし逸脱しようがそこは東大生、その所作、出で立ち振る舞い、一挙手一投足に"いかにもな東大生らしさ"が滲み出ており、結局"イカ東"の域を出るに至らなかった残念なケースも多々見られる。

 

 

今回はそういった普段あまり目を向けられないタイプのイカ東も網羅しファイリング、そしてタイプごとの特徴と彼らと対峙した際の傾向と対策を紹介していこうと思う。

 

 

こんなことを偉そうに書くんだから、さぞ書いている人はキラキラ大学生然としており、週末にはディズニー、友達との飲み会が続く日々、月に2回学科でお泊まり会、インスタのストーリーは絶えること無く女は取っ替え引っ替え、酒!タバコ!セックス!三昧みたいなスクールカーストトップに君臨する存在かと思われるかもしれないが、はっきり言おう。私は完全に"陰"の者であり、いわゆる"イカ東"である。

 

 

その"陰"さたるや、大学に行ったのにキャンパス内で声を発さない日がある、あまりにもインスタグラムに投稿することが無い日々が続いた末に1人で行ったサーティワンアイスクリームの画像を載せるなど、その実力は折り紙つきなので安心してもらいたい。

 

 

非常に警戒心が強いとされる"イカ東"の観察にあたり、むしろ同じ"イカ東"として警戒されることなく同族を間近で観察することができたため仲間内にしか見せない貴重な習性も観察することが可能であり、信頼に足るデータであると言えよう。

 

 

 

1.ステレオタイプイカ


初級編。


先ほども述べた通り、「メガネでチェックシャツ、細身、男子校出身、コミュ障、早口、高い声、童貞」と言った誰もが想像しがちな"イカ東"像の特徴に当てはまるタイプだ。私の脳内にプロファイリングされている1024PBは優に超えるイカ東に関する膨大なデータによると、凡そ83%のイカ東はここに分類される。人畜無害。


二外選択がドイツ語、ロシア語だと特に大きな割合を占める。


※二外とは「第二外国語」という意である。

 

Twitterで「同クラ女子に◯◯って言われたwww」、「同クラ女子に垢バレしたwww」等とツイートしてしまうのは、主にこのタイプであるとされている。

※同クラ女子とは「同じクラスの女子」という意である。

 

しかし悲しいかな、彼にとってはツイートで報告するに足るビッグイベントのつもりが、その同クラ女子にとってはどうでもいい些細な出来事である場合がほとんどであり、彼らの間には認識上の巨大な差異が存在するのもまた事実なのだ。

 

 

2.自己顕示イカ


その名の通り、自己顕示欲が甚だしいタイプのイカ東である。


彼らの特技は周囲に「自分わかってるアピール」をすることだ。


まずは相槌が激しいタイプ。


授業では前の方に座りがちで、教員が何か言うたびに相槌を打つ。凄まじい勢いで頷きまくる。


しかしそれだけではない。耳を澄ますと「うんうん」「あ〜」「なるほど」と言っている場合もある。凄い。凄いわかってる。


その頷きようは最早ヘッドバンギングのそれである。恐ろしい速さで上下に振り回し散らしまくってる。ドップラー効果により彼らの「うんうん」や「なるほど」といった台詞は文字に書き起こすこともできない奇声へと変貌を遂げ、超音波となって周囲の人間を混乱状態に陥れる。


あまりの速さで気圧差が生まれ小さな竜巻やかまいたちが発生することもあるので周囲の人間は距離を置こう。


また、彼らに目をつけられてしまった教員も注意が必要だ。


板書で誤字をすればすかさず彼らによる指摘が入る。そのスピードたるや、およそ常人の動体視力を遥かに超えており最悪の場合死に至る。


例え誰が見ても誤字とわかるようなものだろうとお構いなし。彼らの手にかかればその鋭い指摘で教員を破壊、自己顕示イカ東は鬼の首を取ったようにその場で胸を叩いて「自分の戦果」を周囲の人間に知らしめて威嚇を行う。

 

この"自己顕示イカ東"は人々を混乱に陥れる超音波を発しながら、目にも留まらぬ速さのヘッドバンギングによりかまいたちを生み出し周囲の人間を切り裂き、誤字を指摘しては咆哮を上げドラミングして威嚇する、多彩な攻撃方法を持つ非常に危険な戦闘民族である。


そうすることにより、彼らは己の†知†を、†力†を、誇示しようとする。


彼らの想像する自分像は恐らく「皆から羨望の眼差しを向けられる賢人」なのだろうが、主に皆が彼らに対して抱く感情は「可哀想」であることも知られており、ここにも先ほどの例と同様の大きなギャップがあるのである。


もしかすると、メタ認知ができないというのはイカ東の大きな共通点なのかもしれない。

 


3.オタク


オタク。

 

4.DQNなり損ねイカ


一番痛いタイプである上に有害。


特技は授業中に騒ぐこと。


授業中に騒ぐ東大生は100%「東大生なのに不真面目な自分(笑)」に酔っていることが知られている。

 

自分はステレオタイプイカ東になりたくない!他の東大生とは一味違うんだ!という強い思いからそこから脱却するために"不真面目アピール"をしてしまうに至った悲劇の種族。


そんなものは中学生で卒業して欲しいものだが、如何せん彼らは中高時代を真面目に過ごしてきた。そのためにこういった"痛い時期"が大学生になって遅れてやってきてしまったのだ。南無阿弥陀仏


主な活動時間は楽単と話題の授業、出現場所は大教室の後ろの方だ。

 

彼らの中でのヒエラルキーは授業中に発する声量の大きさで決定するらしく、お互いに切磋琢磨し自慢のシャウトを披露し合っている。


強大な個体は1万デシベルの音を発し教員のマイクの音をかき消し、周囲の人間を分子レベルで崩壊させ、音圧で窓ガラスは吹き飛びおよそ授業どころの騒ぎではなくなる。非常に危険な生物兵器であるため公安にマークされている。


こいつらは基本的にウェイと言われたがって日々頑張っている。もし彼らをウェイと呼ぼうものなら、ますます調子に乗って強力な個体を生み出してしまう危険性があるため絶対にやめよう。


彼らを見つけたら「中学時代の青春コンプレックスを晴らそうとしてるんだな」と優しい目で見つめてあげることが大切だ。

 


5.エセウェイイカ


某サークル、運動会の部活、二外がスペイン語やフランス語である、といった肩書きを得ただけで本人の性質は何も変わってないのに自分はウェイであると勘違いし始めるタイプ。

 

そもそも東大にウェイなど1人もいないのだ。


彼らは口を開けば女の話を始め、いかに自分が女を抱いたか、いかにして女を口説いたかを懇切丁寧に大声で発表し始める習性がある。かなりつまらない。


眉毛は整えてないのに髪色を派手にして武装したり、話はつまらないのにとにかく声量を大きくすることで場を支配しようとする人間に扮した非常に危険なマウンティングゴリラである場合もある。


彼らを見たら刺激しないよう、背を向けず両手を挙げ武器を持ってないことをアピールし、敵意が無いことを示そう。


かなりの頻度で食堂に出没する。

 

 6.奇行種


単純に奇行をするタイプ。

 

私はその日のテストを終え、清々しい気分で帰ろうとしている時だった。

 

すると、突如後ろの方から「ちょっと遠出するかな。ちょっと冒険するかー!」と巨大な叫び声が聞こえてきたのでびっくりして振り返ると、彼は誰かと一緒にいて会話の中でその台詞を発したわけではなく、通話しているわけでもなく、何と独り言だったのだ。(実話)

 

彼はそのまま著しいスピードの早歩きで颯爽と私を追い抜いていった。その背中は冒険者のそれであった。

 

これは顕著な例だが、東大のキャンパスで耳を澄ますとしばしば独り言を聞くことが出来る。これは東大キャンパス内において、風が吹いた時の木々の葉擦れ、鳥のさえずり等と混ざり合って環境音を成す役目を果たしている。

 

他にも奇行の例としては、1人で歩きながらニヤニヤしている、オタクダッシュ、大根役者の演技のような喋り方、守衛さんの挨拶をガン無視する等が見られる。

 

突然どのようなことをしでかすか予測不能なので、見つけたら距離を置くようにしよう。

 

 

7.イカ東俯瞰型イカ


イカ東を外から見てネタにし、本人は俯瞰しているつもりではあるが実は本人がイカ東という厄介なタイプ。


─────私のことだ。


ここであることに気が付いた。彼らはイカ東だが、確かに人生を謳歌している。一定数の仲間もいる。


一方で私は1人で俯瞰してこんな下らない文章を書きながらどこにも属さず蚊帳の外から見守っているだけの存在だ。


こうして振り返ってみると、東大生の生態について書いたつもりが自身のコンプレックスが噴出しただけの駄文になってしまった。

 

 


─────そうか

 

─────イカ東を分析することは

 

─────自分を見つめ直すことだったのか。

 

─────

 

─────

 

─────

 

─────完

 

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